生きていくうえで大事なもののひとつの『食』。

  今の日本では、多くの食べ物があふれています。
  お腹が空けば、自分の好きなものをすぐに手に入れることができます。

  食べること、もちろん私も好きです。

  でも、一時期、食べることについて考えることがありました。


  それは、以前問題になっていた牛のBSE問題、鳥インフルエンザ、豚にも病気がありましたね。

  根本的な原因は、自分達の有益なことしか考えなかった人間であるはずなのに、反省するよりも先に、自分達への被害や、肉が食べられなくなることに大きな騒動となりました。

  牛や鶏、豚を肉としか見ていないことに恐怖心を抱きました。
  ニュースでは、病気になった牛を映し出し、多くの鳥を処分し、肉の流通を伝えるために牛の撲殺の様子まで映し出していました。


  でも、私達が多くの生命を食していることは現実です。

  これらBSE問題などは、私達に『食』について考えるきっかけをくれたのです。
  自然の摂理にそぐわないことは、後に何かしらの問題となってあらわれてきます。
  そして、肉を食べ過ぎている現状にも、サインをくれているのです。


  もともと人間は、古い時代から狩猟をして生きていました。
  食べられる分だけを、捕獲していたのです。
  その後、日本では農耕を発達させ、地のもの、海のものを食してきました。
  それに合わせて、長い時間をかけて体も変化していきました。

  そして、西洋文化が流れてくると共に、食も変化しました。
  短い年月での急激な変化であったため、今までなかった病気も増えてきました。


  肉を食べてはいけないというのではなく、食のバランスが崩れていることに危機感を感じなくてはいけないのです。

  環境のバランスも崩れています。
  川や海も汚染されています。
  試験管の中で野菜が作られています。


  その中で、『食』についての意識も変わりつつあります。
  「食育」という言葉もでてきました。

  今では、朝食を食べない子、好きなものしか食べない子、食事をすること自体関心のない子、一人で食事をする子などが、増えています。

  でも、それは私達大人が影響を与えているのです。


  以前テレビでですが、永六輔さんが食事を前にして子ども達に話をしていました。

  『 食べる前に「いただきます」と言いますが、本当は「いただきます」の前にまだ言葉があるんですよ。

  それは、(食事を前に手を合わせながら)

  「 あなた達の生命を私の生命として いただきます 」

  という言葉です。

  私達の生命を繋げるために、牛も鶏も豚も魚も野菜も、自分達の生命を与えてくれたのです。

  そのことを忘れず、感謝して、「いただきます」と言いましょう。』


  そのとおりですね。
  動物や、魚、魚介類、野菜、植物にも同じように生命があります。

  その生命を私達は頂いているのです。

  「ありがとう」という感謝の気持ち。
  その気持ちを持つことが、一番大事なことですね。

  感謝をもって食すれば、食事が大事なものだと気づきます。

  すると、身体も大事にし、身体にとって必要なものを摂るように次第になっていきます。

  もし、食事を作ってくれる人がいたら、同じように「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えましょう。
  気持ちが伝われば、それは喜びとなり、おいしい栄養のある食事を作ろうという気持ちに繋がります。


  すべて連鎖です。


  すべての生命にありがとう。

  そして、生命を育む大地や太陽、雨や水、海、そしてきれいな空気にありがとう。

  (生命が自然に元気に育っていなければ、それは私達も育たないということですね。)


  まずは、感謝の気持ちから。
  食事の時は、感謝の気持ちを込めて、「いただきます」と「ごちそうさまでした」と言うことからはじめましょう。


  「ありがとう」 それがすべてのはじまり。